「犬と猫と人間と2 動物たちの大震災」劇場公開に向けて
2013.05.30 Thursday
いよいよ「犬と猫と人間と2 動物たちの大震災」が劇場公開を迎えます。
全国各地から毎日のように、宣伝協力のお申し出を頂いています。
配給・宣伝の東風のスタッフも、体調が心配になるほど頑張っています。
監督の宍戸くんも連日、イベントやメディアへの出演が続いています。
しかし、簡単には超えられない「壁」も感じています。
ひとつは、「かわいそうで観られない」、つまり動物の悲惨な姿を見ることへの『怖れ』です。
もうひとつは、被災地の動物とこの映画に対する『無関心』です。
「かわいそうで観られない」という声は、前作「犬と猫と人間と」でも同様にありました。
でも上映会のアンケートではこんな意見も寄せられました。
「かわいそうな姿から目を背けることが、一番“かわいそう”なことなのだ気づいてほしい」
どちらの作品でも、悲惨な姿をこれみよがしに見せることはしていないつもりです。
僕らが目指すのは、見せてショックを与えることではなく、見て「考えてもらう」ことだからです。
宍戸は、取り残された動物たちを前に、「この事実を決して無かったことにはさせない」と放射能への不安も脇に置いて記録することに力を注ぎました。
そして、目の前のものをただ切り取るのではなく、そこに踏み込み、容易には見えないものを伝えることを目指し、取材期間は1年8ヶ月になりました。
今回、こんなコピーを用意しました。
僕らがまだ知らない、動物と人間のいま
未来につなぐため、いのちと向き合う
被災地では、いまだに人と動物の苦難が続いています。
私たちがそこを見つめることで、多少なりとも力になれることがあるかもしれません。
不安に訴えるわけではありませんが、もし将来、あなたの街で大きな災害が起きたとしたら、この映画を観てなにか備えておくことが、あなたの大切な存在を守ることにつながるかもしれません。
哀しい出来事を繰り返さないためにも、私たちはこの経験を共有することが大切なのだと思います。
「そんな映画を見に行くほど、自分は動物を好きじゃないし」
そういう方も多いでしょう。
でも僕らは、動物好きに向けて映画を作ったわけではありません。
好きも嫌いも関係なく、私たちの周囲には動物がいます。
動物たちの目線に近づいていくと、社会を違った角度から見つめ直すことになります。
この視線は、経済優先・人間中心の社会の行き詰まりを照らすことでもあります。
まず、「いま」を見つめなくては、「未来」の方角を決めることもできません。
そのためにも、この映画を通じて多くの方に、人と動物の「いま」を知ってもらいたいと願っています。
2013.5.30 飯田基晴
「犬と猫と人間と2」ニュース Vol.1
2013.05.25 Saturday
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「犬と猫と人間と2」ニュース Vol.1 2013.5.22発行
発行:映像グループ ローポジション/合同会社東風
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今回より新たに「犬と猫と人間と2」ニュースとして配信していき
ます。今後ともよろしくお願いします。
公開まであと1週間!
6/1(土)から渋谷ユーロスペースでのロードショー!
引きつづき多くの方に映画のこと、被災地の動物たちと人びとのことを
知ってもらえるよう頑張ります!
初日1回目,2回目には舞台挨拶も行いますのでぜひお越しください!
(宍戸、飯田)
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1.渋谷・ユーロスペース情報
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■6/1(土)より公開!
1回目11:50 2回目14:00 3回目16:40 4回目18:50
※全席自由席 各回入替制 整理券制
渋谷・文化村交差点左折
電話:03-3461-0211 http://www.eurospace.co.jp/
●料金
一般1700円/大学・専門学校生1400円/会員・シニア1200円/
高校生800円/中学生以下500円
●劇場トークイベント
6/1(土) 1回目&2回目上映後:宍戸監督、飯田基晴プロデューサー
6/2(日) 2回目上映後:渡辺眞子さん、宍戸、飯田トーク
6/8(土) 2回目上映後:浅田美代子さん、宍戸、飯田トーク
6/9(日) 2回目上映後:穴澤賢さん、宍戸、飯田トーク
6/15(土) 2回目上映後:坂本美雨さん、ゆーないとさん、宍戸、飯田トーク
公開はじめの土日には、作家やタレント、ミュージシャンなどそれぞれの
分野から多彩なゲストをお招きしています。ゲストの方はあの震災を
どう経験されたのか、そしてこの映画を観て、何を感じられたのか。
ご覧になった方が映画を受け止め、歩みだすための大切なヒントを
与えてくれるかもしれません!
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2.新着ニュース!
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■【ラジオ】
5/24日(金)10:20〜 JFN「OH! HAPPY MORNING」に監督出演!
http://www.jfn.co.jp/jfn_top/
ラジオの生出演は緊張していつも不慣れな監督…。
うまく最後まで話せるか、聴いてくださる方を緊張させないよう頑張ります!
その他にも新聞や雑誌に続々掲載されています。
詳しくはHPで! http://www.inunekoningen2.com/
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3.公開直前イベント!
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●5/25(土),5/26(日) いぬのきもち スプリングフェスタ
http://inuneko.me/fes/2013/spring.html
トーク「今の被災地でのペット環境について」
【時間】12:00〜12:20 「今の被災地でのペット環境について」
松本秀樹さん、穴澤賢さん、宍戸によるトーク
13:00〜13:45 ダイジェスト版上映&宍戸トーク
【会場】お台場ヴィーナスフォート
松本さん、穴澤さんは実際に被災地を歩かれた方々。
3人が見て、聞いて、体験した現地の本当の姿や想いを、
この際、言えることも言えないことも、すべて話します!
●5/27(月) 公開記念イベント「わたしたちにできること」開催!
http://inunekoningen2.com/news/?p=269
宍戸、飯田に加え、タレント松本秀樹さんをお迎えして
“動物と人間の関係“について語ります。
【時間】19:00〜20:30 参加費:無料・要事前予約
【会場】代官山 蔦屋書店1号館 1階
【お申込み】
・メールフォーム⇒https://business.form-mailer.jp/fms/387ab87d22617
・GREEN DOG代官山店頭/お電話にて(受付TEL:03-6427-8739)
震災後、被災地ではペットの販売数が増えていた。
映画は、安易に命が買えてしまう、以前から変わらぬ
日本の姿を捉えていた。
あの日から変わったこと、また変わっていないことは何だろう?
ペット番組で名を馳せる松本秀樹さんに、
ペット業界で生きるGREENDOG佐久間社長。
「ペット業界への疑問や不満など何でも聞いてください。
強烈な質問を待ってます!」と2人から不思議な誘いを受けた飯田と宍戸。
果たしてどんな話が飛び出すのやら…。
熱い真剣勝負にご期待下さい!
●5月28日(火),29日(水)「震災・原発事故で動物たちはどうなった?」
https://www.facebook.com/events/452656484820856/?ref=2
ダイジェスト版上映&宍戸トーク
【時間】28日 19:30〜20:30
【会場】浜田山会館 第一集会室
http://www2.city.suginami.tokyo.jp/map/detail.asp?home=H05080
【時間】29日 18:00〜19:00
【会場】永福和泉区民センター 第一集会室
http://www2.city.suginami.tokyo.jp/map/detail.asp?home=H04940
【参加費】200円
【定員】15名
【お申込み】
(1)参加日(2)お名前(3)E-mailアドレスをご記入のうえ前日18時までに
convitz@yahoo.co.jp (担当:福島)までメールでお申込みください。
件名は「動物たちの大震災 イベント申込」として下さい。
企画してくれたのは、宍戸の学生時代からの親友・福島くん。
学生時代から環境問題に取り組んできた僕たちは、原発事故を
止められなかった責任に生涯向き合っていくのかもしれません。
ダイジェスト版の上映とトークはこれがおそらく最終回。
お近くの方はぜひ見納めに(?!)お誘い合わせの上お越し下さい。
親友交歓もお楽しみに!
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4.応援団募集中!
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■全国共通特別鑑賞券を販売中!
6月1日のユーロスペースでの公開に向けて、
全国共通の特別鑑賞券(前売り券)を販売しています。
1枚¥1,400ですので、当日一般券より300円もお得です!
(当日/一般¥1,700/大学・専門学校¥1,400/会員・シニア¥1,200)
ユーロスペースの劇場窓口もしくは、プレイガイドなどで発売中ですが
郵送でも承ることが出来ます。
■特別鑑賞券お預かり(委託販売)のお願い
特別鑑賞券(前売り券)をお預かり頂ける方も
募集しています。何枚必要か分からない、
という方には「委託販売」をお勧めしております。
委託の際には、通常より安い金額でご提供いたします。
公開終了後に販売手数料を引いた金額をお振込み頂き、
残った券はご返却頂くことになります。
■チラシ配布・ポスター掲示のお願い
映画のチラシ配布・ポスターの掲示にご協力頂ける方を
募集しています。必要枚数をお知らせ頂けましたら、
こちらより発送させていただきます。
行きつけの動物病院やお店、周りの方々へお渡し
頂ければ幸いです。
ご協力いただける方、ご興味持ってくださった方は下記まで
お気軽にご連絡ください。
配給・宣伝:東風(とうふう)
電話:03-5919-1542(平日11:00−18:00)
FAX:03-5919-1543
Email:info@inunekoningen.com
また応援団のみなさんをご紹介するページを公式サイトに
作っていますので、よろしければぜひ!
http://inunekoningen2.com/news/?cat=7
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5.公開劇場!
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現在、全国13の映画館で上映が決定しています。
今後もどんどん増やしていきます!
【公開日決定】
■神奈川県 ジャック&ベティ 045-243-9800 6月22日(土)〜
■栃木県 フォーラム那須塩原 0287-60-7227 6月22日(土)〜
■新潟県 シネウインド 025-243-5530 6月29日(土)〜
■岡山県 シネマクレール丸の内 086-231-0019 7月20日(土)〜
【夏以降公開】
■山形県 フォーラム山形 023-632-3220 7月公開
■宮城県 フォーラム仙台 022-728-7866 7月公開
■福島県 フォーラム福島 024-533-1515
■愛知県 名古屋シネマテーク 052-733-3959
■大阪府 第七藝術劇場 06-6302-2073
■京都府 京都みなみ会館 075-661-3993
■兵庫県 神戸アートビレッジセンター 078-512-5500
■広島県 横川シネマ 082-231-1001
■福岡県 KBCシネマ 092-751-4268
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6.関連情報
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●映画「犬と猫と人間と」関連商品
・「犬と猫と人間と」DVD
・DVD「いぬとねことにんげんと」
(ダイジェスト版 映画「犬と猫と人間と」)
・書籍「犬と猫と人間と いのちをめぐる旅」
いずれも好評発売中!
全国の書店、DVDショップ、Amazonなどのネット通販でご注文可。
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発行責任者:宍戸大裕
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連載エッセイ11 小さな“活動家”たち
2013.05.17 Friday
この映画を子どもに見せていいものか、と聞かれることがある。僕の監督作「犬と猫と人間と」には、捨てられた犬や猫のつらい場面もあるために心配しているのだ。
子どもは時に、大人よりも現実を直視する力を持つ。僕としては、ぜひ学校や家庭で子どもに見せてほしいと思う。映画を見た子どもたちの感想文を紹介しよう。
「今までは、犬も猫も大切にされていると思っていました。ですが、現実は全然ちがうことが分かりました。この映画を作ってくれとたのんだ人の気持ちが最後に分かりました。わたしは、このスクリーンの中にいた人たちを助けたり、はげましてあげたいと思いました」(小学4年女子)
「わたしは動物は苦手でした。野良犬・猫がこわかったからです。しかし野良になったのは人が捨てたからでした。『あきたら捨てる』。そんな人にならないよう少しずつ動物を好きになりたいと思いました」(小学5年女子)
「こうゆう、いいものを小中学生にも見せてあげた方がいいと思います」(中学2年男子)
事実を知り、自分にできることを始めた若い世代もいる。
横浜にいる僕の話を聞きたいと、愛知県から中学生がやって来た。犬の殺処分について調べるうちに映画を知り、劇場で見てくれた。そして、自分たちでこの問題を伝える絵本を作り、小学校で読み聞かせをしている。
また大阪の高校生は、「同級生にもこの問題を知ってもらいたい」と、学校で上映会を企画した。
映画の中でも、捨てられていた8匹の子犬を育て、新たな飼い主を探す小学生たちが登場する。
僕はこのような、小さな“活動家”の存在に希望を感じる。
「自分には何もできない」とあきらめるのではなく、できることをやってみる。そうした積み重ねが、少しずつ社会を変えていくのだと思う。
飯田基晴(映画監督)
連載エッセイ10 一人一人にできること
2013.05.16 Thursday
知ってほしいことがある。現在、国内で年間およそ30万匹※の犬と猫が殺処分されている、ということ。
もうひとつ、知ってほしいことがある。
殺処分の数は年々減少しており、この10年でほぼ半減してきた、ということだ。半減したといっても、約30万匹というのは膨大な数だ。その倍の数が殺処分されていたとは、これまでが多過ぎたとも言える。
では、どうしてそれだけ減らすことができたのか?
社会的に大きな変化があったわけではない。動物愛護団体やボランティアの人たちや、そして動物愛護センターなど行政の職員も、全国各地のそれぞれの現場で、捨てられた命を救ってきた。
何万匹もの命を救える人はいない。しかし、数匹の命なら救うことができる人もいる。大勢の取り組みが積み重なって、殺処分を減らしてきたのだろう。
映画「犬と猫と人間と」の取材では、各地でそのような人々に出会った。 また、不幸な命を減らす取り組みは、保護活動だけでなく、一般の人たちへの啓発や、行政への働きかけなどもある。寄付を通じて、それらの活動を支える人々もいる。保護された動物を引き取り、新たな飼い主となる人も少なくない。こうした行動も、殺処分を減らすのに一役買っている。
映画の上映会の後に、お客さんと質疑応答をすると、「私に何かできることはありますか?」と質問をもらうことがある。だが、一人一人「できること」は異なる。何ができるか決めるのは、自分しかいない。
それでも、ひとつだけ、誰にでもできることを思いついた。
自分に何ができるかを考え続けること、だ。
そして、現実を前に自分は無力だとあきらめず、できることがあればやってみることだ。
実際、一人一人は微力でも、それが重なって現実を変えてきたのだから。
飯田基晴(映画監督)
※エッセイ執筆時のデータです。