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2023.11.28 Tuesday

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これで「再現VTR」と呼べるのか?

2011.12.27 Tuesday

飯田です。大阪で行なわれたARK主催の上映会から帰ってきました。
ARKの施設を見学し、代表のオリバーさんからじっくりと話を聞くことができてよかったです。

さて、12月24日に放送した「志村どうぶつ園」、見そびれていたのですが、知人のJさんに借りて見ることができました。

番組制作会社の方より連絡をもらい、映画「犬と猫と人間と」に登場した、捨てられた子犬を育てる子どもたちのことを再現ドラマとして描きたいということで、僕も直接お会いして取材時のことなどお話しし、子どものお母さんを紹介したのですが、放送されたVTRは、実際の状況とあまりに異なるものでした。

子犬の数や子どもの人数など、設定も大きく変えられ、ドラマの核になるようなエピソードも、実際にあったことではありません。

脚色が入ることを問題だと言いたいわけではありません。
というよりドラマにせよ、ドキュメンタリーにせよ、「事実をそのまま切り取る」なんていうことは不可能です。
「事実」というもの自体が、見方によっていかようにも変わり得る、不確かなものだとも思います。

しかし、番組の製作スタッフは徳島へ赴き、子どもたちや保護者の方々にも時間を割いてもらい、詳しいいきさつまで取材していました。

番組作りには様々な方の意向が働くことも理解しています。
制作に関わった人たちに悪意や怠慢があったとはまったく思いません。
取材スタッフ、シナリオ作家、ディレクターやプロデューサーといったひとたちが、それぞれに「いい番組」を目指して作り込んだのでしょう。
しかし、実話を再現VTRにて紹介するというのであれば、どこかに節度が必要ではないでしょうか。
それは言い換えれば、実在の人々や出来事に対する敬意だと思います。

わかりやすいもの、視聴者が泣ける番組、視聴率が取れるもの、そんな「自分たちの都合」で、現実を好きに改変させて作りたいなら、わざわざ「再現VTR」などという必要はなく、単に「ドラマ」といえばいい。

「この番組はほとんどフィクションですが、実話のつもりでご覧ください」
そう言えばいい。

番組企画書には「感動」という言葉が何度もうたわれています。
それならまず、つまらない「大人の都合」をみせつけて、協力してくれた子どもたちをがっかりさせるようなことを見直してほしいのです。

僕自身、同じ局の他のバラエティーでは映画をきちんと紹介してもらえたことで、きっと今度も問題ないだろうと軽く考えてたことは否めません。
番組で映画のことも紹介してもらえれば、映画の宣伝にもなるという、つまらない下心もありました。安易に紹介したことを申し訳なく、反省しています。

そして、多少違いはあれど同業者として、自分も同じようなことが有り得るとも自覚しています。
厳しい表現になったかもしれませんが、自戒を込めて書きました。

明日24日放送の「志村どうぶつ園」にて

2011.12.23 Friday

飯田です。

明日24日の19時から放送の「志村どうぶつ園」にて、映画「犬と猫と人間と」に登場した徳島の子どもたちをモデルにした再現ドラマが放送されるとのことです。
http://www.ntv.co.jp/zoo/next/index.html

どんな仕上がりになっているか分かりませんので、少しドキドキですが、僕も見てみようと思っています。

映画「フツーの仕事がしたい」DVDブック発売決定!

2011.12.15 Thursday

土屋トカチです。

私が監督を務めました
ドキュメンタリー映画「フツーの仕事がしたい」が、
2012年1月10日、
DVDブックとして発売されます。
全国書店、アマゾンなどのウェブショップで購入できます。

2008年10月にポレポレ東中野で公開が始まり、
国内17箇所の映画館、130回を超える自主上映会、
13カ国の国際映画祭正式出品を経て、
やっとご家庭等でもご覧いただけるパッケージとなりました。

DVDブック詳細はこちら

DVDブック予告編はこちら

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最長で月552時間! 常識はずれの過酷な労働......。
生き残るためのたたかいがはじまった!
労働の"リアル"を描きだす迫真のドキュメンタリー映画 待望のDVD化!
2009年英国・レインダンス映画祭、
ドバイ国際映画祭ベスト・ドキュメンタリー賞受賞作。

A5判上製/15頁/本編70分+特典映像43分、15Pブックレット付
定価3,360円 旬報社
ISBN 9784845112548 C0836
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◆本編[70分]

◆特典映像[43分]
・初日舞台挨拶
皆倉信和(本作主人公)×鎌田慧(ルポライター)×土屋トカチ(映画監督)
・労働者は奴隷か!(フツーの仕事がしたい 初期ヴァージョン)
・自由な感じ(土屋トカチ監督 短編作品)
・国際映画祭授賞式(2009年 レインダンス映画祭・ドバイ国際映画祭)
・ローポジ予告集

◆ガイドブック
だれのために撮るのか、だれの目線で撮るのか 「中立性」との対峙 土屋トカチ
若者がフツーの仕事につけない現実 後藤道夫(都留文科大学教授)
おかしな時代を生き抜く“武器”としての「ユニオン」 小谷野 毅(全日本建設運輸連帯労働組合書記長)
映像による労働運動の底力 竹信三恵子(ジャーナリスト)
人間の尊厳をかけたたたかい 木下昌明(映画批評家)
レビュー+主人公・皆倉信和さんからのメッセージ +年表

◆コメント
震えるほどの怒りと、それ以上の感動をもらった。
映画の中、何度も一緒に怒り、泣き、笑った。
フツーに働き、フツーに生きることが困難になってしまった21世紀。
それを取り戻すための尊厳をかけた闘いの記録に、ものすごく大きな勇気をもらった。
雨宮処凛(作家)

ケン・ローチやマイケル・ムーアの諸作同様、これぞ記録映画の迫真ではないか!
土屋トカチは、底辺から立ち上る憤怒の声と響き合いながら、
当節あるべき「表現」の源流へと向かい、まさしく「映画」を実現させたのだ!
中川 敬(ミュージシャン/ソウル・フラワー・ユニオン)

こんなドキュメンタリーは見たことがない。
これは、ドキュメンタリーが持つ表現力を確実に示した映画だ。
キャメラは武器である、ということを想った。
そして、何故か親鸞の歎異抄を伝承した唯円の心を想った。
堀田泰寛(撮影監督)

今の時代、「フツーの仕事がしたい」と誰もが思っているだろう。
しかし、どう正せばよいのかわからない。
その道筋を、この映画は感動的に、しかも理論的に示している。
働く者たちが、過酷な時代を突破するために必見の映画である。
木下武男(昭和女子大学特任教授)

◆問い合わせ
旬報社
http://www.junposha.com/catalog/index.php
映像グループ ローポジション
http://homepage2.nifty.com/lowposi/

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