レポート:原発20キロ圏警戒区域に残された犬と猫

2011.04.25 Monday

飯田です。
福島第一原発20キロ圏内の警戒区域で、取り残された犬や猫を廻った方の報告が届きました。
立ち入り禁止地域ですので、現時点では報告者氏名の公表は控えますが、その内容と意義を考えて取り急ぎこちらに掲載します。
後ほどyoutubeに動画もアップします。
以下、報告者によるレポートです。 

「警戒区域の中から考える」

4月23日。
前日、「警戒区域」となった福島第一原発から20キロ圏内。
そこには飼い主に取り残されてしまった動物たちが、今も必死に生きている。
動物たちへえさやりをするために入った、その日の記録を残す。

【第一検問地点】

浪江町へ入る国道114号線を行くと、20キロ圏内への立ち入りを禁止する検問地点にいたる。20キロ圏内立ち入り禁止ということから、検問は20キロ地点で行われているのかと思っていたが、実際には20キロ地点より数キロ手前ですでに検問は実施されていた。





【浪江町、双葉町、大熊町、富岡町をゆく】



浪江町へ入り、行き遭う犬や猫へのえさやりを開始する。
雨のせいか、車を走らせていても現れる犬・猫は少なかった。
「朝方にえさを探すのか、早い時間帯に出てくる犬は多いんだけど…」
と同行者は話した。
途中、6号線で犬が2頭車に轢かれ死んでいた。







同行者は、
「昨日(22日)は道路の真ん中で死んでいたから、移動されたのかもしれない」
と話した。
確かに、遺骸は道路ではなく歩道のほうへ移されていた。
20キロ圏内で働く人の誰かが移してくれたのかもしれない。
2頭とも首輪をしていたが、原発事故が起きる前まではこの辺りで飼われていた犬だったのだろうか。

3、4時間ほど滞在し、動物たちを探しつづけたところ犬11頭(うち2頭は轢死)、猫5匹と出遭った。







雨降りでなく天気が良ければ、またもう少し長い時間滞在することができれば、より多くの動物たちと出遭えたと思うが事情が事情だけに長居することは出来なかった。
さらに、警察車両(パトカー、ワンボックスタイプ、覆面)によるパトロールとニアミスしていたことや時間的制約があったことから、出遭った動物すべてにえさをやることは出来なかった。

【今後、政府・自治体にお願いしたいこと】

20キロ圏内に残る動物にえさをやるための通行許可証を出してほしい。

22日に警戒区域化された後も、警察車両が区域内をパトロールしていた。
現時点では動物のえさやりのための通行許可証は発行されていない。
とすれば、私たちはやむなく非正規の方法で区域内に入らざるを得ない。
しかし、そんな方法は誰も望んでやってることではない。
区域内をパトロールする警察官や、保健所・自治体職員などがえさやりを行ってくれるならば私たちはこのようなことをしなくて済むのだ。

だが、震災発生後の政府や自治体の対応を見れば分かるように、彼らにそのようなことを望むのは難しいだろう。
だとすれば、せめて動物にえさやりに行く者のために正規に通行許可証を発給してほしい。
しかも速やかに発給してもらいたい。
毎日同じルートでえさやりをしていても、動物は動き回るためいつも同じ動物と遭えるわけではなく、初めて出会う犬や猫が毎回必ずいる。

そしてその動物たちはお腹を空かせている場合が多いのだ。
毎日見回りをしなければ、えさにありつけない動物が必ず出てくる。
ことは急を要している。
通行証は可能な限り速やかに発給し、また通行は毎日認めてもらいたい。

20キロ圏内にいる動物を保護してほしい。

動物たちと待ち合わせの約束をすることは不可能なのだから、こちらが動き回って彼らを探すしか出遭う方法はない。
それは非常に非効率な方法である。
とすれば、出遭った動物は出来る限りその場で保護するということが肝要と考える。
今日も、道路で轢死した犬が2頭横たわっていた。
動物が車に轢かれることは珍しいことではない。
だが、20キロ圏内で轢死しているということを考えなければならない。

この犬たちは原発事故がなければ飼い主の下で飼われていたはずで、道路を歩き回ってえさを探す必要はなかったはずだ。
にも関わらず、生きるためにえさを探し、道路に出てきて、そこで轢かれて死んだのだ。
飼い主に連れて行ってもらえてさえいたら、保護されてさえいれば、この命は死ななくてよかった命ではないか。
死ななくてよい命が、政府や自治体の不作為によって死んでいる。
それが福島第一原子力発電所から20キロ圏内で起きていることである。 
今からでも良いから、20キロ圏内に生きる犬や猫を保護するための行動を開始してほしい。

J欷遒靴親以の殺処分は禁止してほしい。

首輪があってもなくても、震災後に保護された犬や猫の殺処分は完全に禁止してほしい。
首輪の有無で飼い主の有無を完全に判断することは出来ない。
また、震災という未曾有の状況下では、飼い主が必ずしも動物を顧みる余裕があるとは限らない。
飼い主がしばらく現れないからといって殺処分にすることはやめるべきである。
飽くまでも飼い主が現れるよう呼びかけを続け、それでも現れない場合は一定期間が経過した後に譲渡対象者を探すべきである。
 
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