ネコを探して その2

2010.06.18 Friday

飯田です。
昨日に続き、『ネコを探して』 http://www.neko-doko.com/
というドキュメンタリー映画について書きます。

この映画は、個性豊かなかわいい猫たちがたくさん登場する、フランスのエスプリが聞いたオシャレな映画です。

という説明だけで、この映画を観たいと思ってくれた人は、以下の話は読まなくてもいいです。

上記の説明も間違いではないのですが、充分ではないでしょう。

つい職業柄、映画を観ると、まずはその「作り」に関心がいきます。
この映画は、ドキュメンタリーですが、物語る(ストーリーをかたち作る)仕掛けに、アニメーションを使っています。
ドキュメンタリーでも、部分的にアニメを使う映画はしばしばありますが、映画の主軸をアニメに担わせることにした作品は、珍しいと思います。
この手法を好むかどうかは、意見の分かれるところだと思います。
その画のタッチも相まって、気に入る人もいるでしょう。
僕はやらないと思いますが、作り手として、こんな風にやってみたかった気持ちは分かる気がします。

内容としては、猫にまつわる、さまざまな場所を廻っていく構成になっていますが、それぞれの取材については真面目になされています。
というか、思ったより全然マジメで社会派な映画だった、というのが正直な感想です。

テーマとしては、水俣病、英国の国鉄の民営化問題、監視社会、終末期医療などの題材が描かれていきます。それぞれが深く掘り下げられるわけではないですが、これらの事柄を、猫たちを通して見つめていく視点は、新鮮さがありました。
そして映画は、人間が猫に求めているものが、時代とともに変わっている、ということに言及していきます。日本人の極端な「カワイイ」志向、その裏にある殺処分の状況まで、きちんと見つめています。

「犬と猫と人間と」は多くの方に観てもらっていますが、一方で、
「そんな映画、かわいそうで観られない」
と絶対に観ようとしない方もけっこういらっしゃいます。

そんな人も、この『ネコを探して』なら、抵抗なく観に行くでしょう。
そして、観ているうちに、「カワイイ」「オシャレ」だけじゃないことに気づくはずです。
(ここに出てくる、駅長たま、なんていうのはオマケ程度のものです)
こういうアプローチも必要だと思います。

ぼくが次に作りたいと思っている、地域猫についての映画も、表面きは「カワイイ」「楽しい」で宣伝していけるものにしようかと思っていたりします。なので、参考になる点もありました。

あれこれ書きましたが、まぁとにかく猫はかわいいし、この監督、猫好きなんだなーというのが伝わってきます。
決して退屈するような映画じゃないし、重苦しい映画ではないので、ぜひお友達を誘って観に行ってください。

誘うときは面倒くさい事言わずに、
「かわいい猫がたくさん登場する、オシャレな映画らしいよ」
でいいと思います。
ウソじゃないもの。

えっ? なんで、僕がこの映画をこんなに薦めるかって?

それは、もう、「犬と猫と人間と」の配給・宣伝でホント〜にお世話になっている、配給会社:東風が、この映画の宣伝を担当しているからです。
ということでも、皆さまどうぞよろしくです。

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2020.09.20 Sunday

コメント
Thanks for this smart review! In France too "ネコを探して" (French title : La Voie du Chat = the way of the cat) was kindly depicted as an "ovni" = UFO.
But trying to pass on un-mainstream, non-conformist thoughts means also choosing new shapes. It's now 10 years I mix documentary and animation to create different approach of problems such as corruption and lobbyism... and it works! ;-)
Again, thanks a lot for your analysis.
From the filmmaaker, myriam tonelotto
Twitter : @lavoieduchat
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